小児矯正・成人矯正
小児矯正で抜歯を避けられる可能性はある?歯を抜かないために大切な考え方を歯科医師が解説
こんにちは。
茨城県日立市の歯医者、きくち歯科院長の菊地正高です。
小児矯正のご相談で、保護者の方から最も多くいただく質問の一つが、
「将来、歯を抜かなければいけませんか?」
というものです。
「できれば健康な歯は抜きたくない。」
そう思われるのは、とても自然なことです。
私たち歯科医師も、健康な永久歯はできる限り残したいと考えています。
しかし一方で、
「小児矯正をすれば絶対に抜歯をしなくて済みます。」
とはお伝えできません。
今回は、小児矯正と抜歯の関係について、できるだけ分かりやすくご説明します。
なぜ矯正で抜歯が必要になることがあるのでしょうか?
永久歯は全部で28本(親知らずを除く)あります。
これらの歯がきれいに並ぶためには、それだけのスペースが必要です。
ところが、
- 顎が小さい
- 歯が大きい
- 永久歯が並ぶスペースが不足している
という状態では、すべての永久歯を無理なく並べることが難しい場合があります。
そのようなケースでは、大人の矯正で抜歯が選択肢の一つになることがあります。
つまり、抜歯は「歯並びを良くするため」ではなく、
歯を長期的に健康な状態で並べるための選択肢として検討されることがあります。
「歯を抜く」と聞くと不安になるのは当然です
「健康な歯を抜くなんてもったいない。」
そう感じる保護者の方は少なくありません。
永久歯は一度抜いてしまうと元には戻りません。
だからこそ、不安になるのは当然です。
私たちも、できることなら健康な歯は残したいと考えています。
しかし、
無理に歯を抜かずに歯並びだけを整えることが、お子さんにとって最善とは限りません。
歯が無理に並ぶことで、
- 前歯が前方へ出すぎる
- 噛み合わせが不安定になる
- 後戻りしやすくなる
などの問題が起こることもあります。
大切なのは、
「抜歯をするかどうか」ではなく、お子さんのお口にとって最も健康的な治療を選ぶことです。
なぜ昔より歯並びが悪くなるお子さんが増えているのでしょうか?
近年、歯並びの相談は以前より増えていると感じます。
その理由の一つとして、
顎が十分に成長しないお子さんが増えていることが挙げられます。
原因は一つではありませんが、
- 食生活の変化
- 柔らかい食べ物が増えたこと
- 口呼吸
- 舌の位置や動き
- お口の機能の変化
などが影響していると考えられています。
つまり、
歯が大きくなったのではなく、
歯が並ぶためのスペースが不足しやすくなっている
ケースが増えているのです。
小児矯正でできること
小児矯正は、
「歯を抜かない矯正」ではありません。
成長期のお子さんだからこそ、
顎の発育を見守りながら、
より良いお口の環境を育てていく治療です。
例えば、
- 顎の成長を確認する
- 永久歯が並ぶスペースを確保できる可能性を検討する
- 噛み合わせを整える
- お口の機能を育てる
- 呼吸や舌の使い方を確認する
など、お子さん一人ひとりに合わせて治療計画を立てます。
その結果として、
将来的に抜歯を避けられる可能性が高くなるケースがあります。
ただし、お口の状態や成長には個人差があるため、すべてのお子さんに当てはまるわけではありません。
「顎を広げれば大丈夫」というわけではありません
保護者の方から、
「顎を広げれば歯は並びますか?」
というご質問をいただくことがあります。
しかし、小児矯正は単純に顎を広げる治療ではありません。
当院では、
- 顎の成長
- 噛み合わせ
- 舌の位置
- 呼吸
- 飲み込み方
- 食生活
- お口の癖
なども含めて総合的に診査・診断しています。
これらはすべて、将来の歯並びや噛み合わせに影響する大切な要素だからです。
早めに相談することで選択肢が広がります
私たちがおすすめしているのは、
「早く治療すること」ではありません。
**「早く相談すること」**です。
早めに相談することで、
- 今は経過観察で良いのか
- 顎はどのように成長しているのか
- 将来どのような治療が考えられるのか
- 成長を活かせる可能性があるのか
などを知ることができます。
つまり、
治療を急ぐためではなく、お子さんにとって最も良いタイミングを見極めるために早めの相談が大切なのです。
抜歯を避けることだけがゴールではありません
「抜歯をしないこと」がゴールではありません。
私たちが本当に目指しているのは、
お子さんが将来も自分の歯でしっかり噛み、健康なお口で生活できることです。
そのためには、
抜歯を避けることが最善な場合もあれば、
長期的なお口の健康を考えた結果、抜歯を選択した方が良い場合もあります。
大切なのは、
そのお子さんにとって最も良い方法を選ぶことです。
きくち歯科が大切にしていること
きくち歯科では、
「できるだけ抜歯を避けたい」という保護者の方のお気持ちを大切にしています。
しかし、
「抜歯をしないこと」を目的にはしていません。
私たちが目指しているのは、
お子さんが大人になっても、自分の歯でしっかり食べ、笑い、健康に過ごせることです。
そのため、
歯並びだけではなく、
- 顎の成長
- 噛み合わせ
- 呼吸
- 舌の使い方
- 食生活
- 虫歯になりにくい環境づくり
まで含めて総合的に診査・診断し、お子さん一人ひとりに合った治療をご提案しています。
よくある質問
Q. 小児矯正をすれば絶対に抜歯を避けられますか?
いいえ。
抜歯を避けられる可能性が高くなるケースはありますが、すべてのお子さんに当てはまるわけではありません。
Q. 顎が小さいと言われたら必ず矯正が必要ですか?
いいえ。
成長を見守ることが適切な場合もあります。
まずは現在のお口の状態を確認することが大切です。
Q. 相談だけでも大丈夫ですか?
もちろんです。
現在のお口の状態や、将来考えられる治療の選択肢について丁寧にご説明します。
Q. 小児矯正を始める時期はいつが良いですか?
お子さんによって適切な時期は異なります。
気になった時点で一度ご相談いただくことで、成長を見ながら最適なタイミングをご提案できます。
まとめ
小児矯正には、成長を活かしながら永久歯が並ぶ環境を整えられる可能性があります。
その結果として、将来的に抜歯を避けられるケースもありますが、すべてのお子さんに当てはまるわけではありません。
大切なのは、
「抜歯を避けること」ではなく、お子さんが一生健康なお口で過ごせることです。
きくち歯科では、お子さん一人ひとりの成長を大切にしながら、将来を見据えた小児矯正をご提案しています。
歯並びや顎の成長について気になることがありましたら、お気軽にご相談ください。

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監修者情報

院長
菊地 正高Masataka Kikuchi
当院では「歯についての正しい知識を伝える」「歯の健康から全身の健康との関係性を伝える」「歯の寿命を延ばす」を目標に、地域の皆様が安心・納得の歯科治療を受けていただける治療を目指しています。
そのため、患者さんのお口の現状を丁寧に説明したり、今後の治療計画もしっかり説明していくため、カウンセリングに重点を置き、治療前に理解を深めていただけるようにしています。
その際、疑問に思ったことはなんでもお聞かせください。カウンセリングを通して「自分の歯を守るために向き合おう」、という意識づけから、ご自身のお口の健康を考えるきっかけになっていただけたらと思います。
経歴
-
2008年
昭和大学歯学部卒業
三重大学医学部付属病院にて研修 -
2012年
三重県松阪市 林歯科医院勤務
所属学会/資格
- 日本歯周病学会 会員
- 日本口腔インプラント学会 会員
- 臨床歯科語る会 会員
- もくあみ会 会員
- スタディーグループ:しんせん組
- 保田矯正塾 会員
- MAC(皆川アカデミークラブ) 会員
- JIDIA(顎顔面外科矯正学会)認定医
セミナー受講歴
-
2009年~2010年
モリタ PD SYTLE ベーシック アドバンス セミナー
-
2013年
臨床基本ゼミ(金子一芳先生) 6ヶ月コース
臨床歯科語る会
国際矯正歯科研究会セミナー(宮島邦彰先生) -
2014年
KAVO補綴咬合セミナー(永田省蔵先生)
もくあみ会
救歯塾(黒田昌彦先生) 8ヶ月コース
臨床歯科を語る会
歯科医院地域一番実践会ベーシックコースモリタ PD SYTLE ベーシック アドバンス セミナー -
2015年
東ペリオセミナー(東 克章先生)5ヶ月コース
愛知インプラントセンター 100時間コース -
2016年
一の会 1)歯科臨床における診断とは
2)線を引かない歯科臨床
3)マイナスの少ない歯科臨床
4)ブラキシズムと歯科臨床
(押見一先生 新井俊樹先生 塚原宏泰先生) -
2017年
救歯塾8ヶ月コース(黒田昌彦先生)
-
2018年
明海大学、朝日大学歯学部生涯研修部
インプラントアドバンスコース(嶋田 淳先生) -
2019年
保田矯正塾 第一期矯正治療セミナー(保田 好隆先生)
-
2020年
MACセミナー レギュラーコース 4回(皆川 仁先生)
-
2021年
保田矯正塾 全額矯正治療コース 年間コース(保田 好隆先生)
ブラケットを用いない矯正歯科治療(保田 好隆先生)
MACセミナー(皆川 仁先生) -
2022年
保田矯正塾 第一期矯正治療セミナーの再受講(保田 好隆先生)
症例からはじまるアンカースクリューを用いた限局矯正実習セミナー
MACセミナー(皆川 仁先生) -
2023年
保田矯正塾 成人矯正のありかたと補綴治療
COTアドバンス1
COTアドバンス2
成人拡大矯正セミナー -
2024年
保田矯正塾 一期治療アドバンスセミナー
二期治療アドバンスセミナー
アンカースクリューを用いた矯正治療
iCEED エビデンスに基づいた安全な水平・垂直的硬組織造成術 ハンズオンコース
安全なソケットリフト・サイナスリフト
第25期ダイレクトボンディング講習会 -
2025年
Surgical Basic Course SLA・SCAを用いたサイナスリフトコース
わかりやすい矯正歯科治療 全顎矯正歯科治療 特別コース
JTコンセプトマスターコース -
2026年
IDIAハワイシンポジウム顎顔面外科ベーシックコース
JIDIA(顎顔面外科矯正学会)認定医取得
https://www.kikuchi-dental.net/first#link03
〒319-1221 茨城県日立市大みか町1丁目10-14