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矯正の診断と資料採得について②

こんにちは。

茨城県日立市の歯医者、きくち歯科の院長 菊地正高です。
今回は、最近勉強した矯正歯科治療の診断と資料採得についての続きで

『矯正歯科治療で抜歯をするか、非抜歯にするか』についてお話をしていきます。

一般歯科でありながら矯正ができる。矯正というピースをもっていると自分で自分が思う。

位置に歯を移動できることで患者さんにより良い治療を提供できることが目標で

日々勉強を続けています。

 

  ・問診票

 ・臨床検査

 ・口腔内写真

 ・顔面写真

 ・口腔模型

 ・パノラマレントゲン写真

 ・デジタルレントゲン写真

 ・セファロ(PA,Lat)

 ・CT

矯正歯科治療で必要な検査は上記のようにありますが

それらの資料を下に治療計画を立てる上で抜歯か、非抜歯か考える必要があります。

 

抜歯か非抜歯か

 ・患者の希望(どのように治したいの)は聞く!

 ・叢生の度合い

 ・口唇の突出感

 ・口唇の閉鎖の困難さ

 ・大臼歯、犬歯の位置関係

 ・Overjetの量

 ・3Dセットアップなどをもとに総合的に判断する

 

治療のゴール

  3と6を1級にして、5を1歯対2歯に近づけること、前歯に適切な被蓋

  上顎5が下顎の5と6と咬んでいたら1級

  MIAを用いて上下歯列を遠心に移動させる量を考える 

  MIAを左右に埋入して使いこなしても遠心移動できるのはせいぜい3mm

   ※ 下顎は遠心移動しやすいが 上顎は遠心移動で苦労しやすい 上顎洞があるから!!

     抜歯基準=MIAが煩雑で大変だと思うなら抜歯 

          半咬頭を超えての移動が必要なら抜歯(小臼歯1本分の移動は不可能)

 

抜歯部位の選択(アングル1級)  

 ・上下左右4抜歯ー通常 前歯部に叢生、前歯部が前突で3-3を後ろに引くのに有利 

             MIAは上のみが多い

 ・上下左右5抜歯ー前歯をあまり後ろに引きたくない場合に選択。

          問題は6がどこまで前にいくか不明でMIAは上だけでなく

          下にも埋入してコントロールをしていくので難易度は上がる

          ※原則 5番を抜くと6番が前に行きやすい

           6番の移動をコントロールするためにMIAを駆使していく

           アングル1級で下5抜歯で、下のMIAが不要なバターンは

          下5が舌側傾斜して下4と6が接している時は下5だけ抜いて終わりMIA不要 

 ・大臼歯が喪失している

   →例 6欠損の場合 7を6に見立てる設計にするか 6にインプラントを入れて矯正をする

    術前にインプラントをするのか 術後にインプラントをするのか事前に相談しておく   

 ・犬歯が喪失

   →4を犬歯に見立てるなら 4を3として使う、嫌なら失った犬歯部分はインプラントにする

 ・上顎2が1本欠損

   →左右4を抜歯して2のスペースを作ってインプラントを入れる

    または3と1をコンタクトさせる設計にするか  セットアップ模型を見せるのがbest

 ・上顎2番が尖状歯 → 同じ 補綴がいる

 ・下顎前歯が欠損 →  同上

 ・上前歯が1本アンキロ=抜歯のみ

 ・下顎前歯が1本 P

   →44抜歯で並べる矯正にPの歯は移動量的に耐えられないかも 

 ・上下左右小臼歯の無髄歯 →優先的に抜歯を選択する 

               それに合わせてMIAを適宜使用するためのテクニックが必要

 ・7番、6番が残根

   →3Dのセットアップを作って術後の予想する位置にインプラントを埋入して

    それをアンカーにして矯正を行う

 

抜歯部位の選択(アングルⅡ級1類) 

 基本的な考え方

 ・二態咬合=顎位が違うズレてる

       勝手に前方位を取っていて矯正をすると顎位が後方へいきやすい

 ・口唇閉鎖困難

 ・上前歯が1本アンキロ

 ・上顎の狭窄歯列弓

 ・下顎骨の後退➡難しい カムフラージュ治療がほとんどできない

 ・下顎骨が小さい➡難しい カムフラージュ治療がほとんどできない

   ※下顎骨の後退、小さい方はOPE適応 これらのケースは積極的に大学病院に送る

    

抜歯部位の選択(アングルⅡ級2類) 

 基本的な考え方

 ・顎位が後退➡矯正をすると顎位が前方に移動してくることが多い

        ※上顎前歯の傾斜で下顎が前方に行くか後方に行くかが決まる

 ・顎関節症の既往

 ・上顎前歯が舌側傾斜している

 ・口元の不満はない

    ➡治療すると上顎前歯はフレアして口元がでてくるので将来的に抜歯ケースなることがある

 

抜歯部位の選択(アングルⅢ級の場合)

 基本的な考え方 多いパターン

 ・顔 特にオトガイに対する不満を出さない

   ➡ 言わないことが多いので、治療方針を決定するまでに必ず聞き出す。

     本当にカムフラージュ治療で良いのか?

治療後の満足度に大きく影響すると思うので何度も確認をする。

場合によっては大学病院を紹介してOPEをしてもらう。

 ・下顎は叢生がない

 ・上顎は叢生がある

 ・下顎智歯 ➡ カムフラージュ治療希望なら下顎8をEXTしてMIAで下顎を後ろに引く

         カムフラージュ治療の限界がマイナスのOverjetが5㎜まで

         それ以上はOPEでないと治らない

 ・オペを保険ですると安いと信じている

   ➡オペは100万前後で3割負担で30万程度、矯正も100万の3割負担で結局普通に治療するのと

    同じくらいの費用は掛かる

 

 いびき、朝起きれない、夕方眠たくなる、高口蓋、鼻中隔が曲がっている

 は呼吸に大きな問題がある可能性が高いので 上顎拡大装置を是非入れるべき

 

上顎の骨格性拡大は

1 非抜歯での配列を目的とするものではない

2 Ⅱ期治療をしなくては済むためのものではない!

3 下顎の大臼歯がアップライトした状態で咬合するまで拡大すれば良い!

 ※ 口呼吸を鼻呼吸に改め手段の一つ

 

非抜歯を診療の柱にしない!!

 非抜歯の場合、口元の突出感の改善や審美性は損うかもしれない。

 非抜歯で治療することで 歯槽骨から歯根が出る可能性

歯肉から歯根露出する可能性

大臼歯を遠心移動することができること骨の量があるのか

 非抜歯で矯正をして審美性の追求を求められる場合は

 断る勇気も必要。

                 

アライナーについて

 適応症例は多くない

 傾斜移動しかないできないため非抜歯症例でのみ使うべき

 最後の仕上げはGood

 ✖ 禁忌症がある 

   簡単に手を出さない

   うまく治らなかった場合のことを考えておくべき

 

アラインチューブ

 若い人は効果を発揮するが、高齢の人、Pの人は並びにくい

 叢生がもの凄くシビアな場合はかなり有効

 

上4大事説

➡クレンチングの筋活量に67番は大きく関与していたが、4番5番はほとんど関与していなかった

4番5番は不要という意味ではないが、抜歯が必要な時に4番5番ならその犠牲は少ない

 

きくち歯科では患者様により良い治療を提供するために

日々研鑽をしております。引き続きよろしくお願いいたします。

 

 

きくち歯科 院長 菊地正高

   

〒319-1221 茨城県日立市大みか町1丁目10-14

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