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口腔内スキャナーの体験会に参加してきました。
こんにちは。
日立市大みか町の歯医者さん
きくち歯科の院長 菊地正高です。
11月6日にホテル天地閣で開催された
『口腔内スキャナーの体験会』に参加してきました。
このセミナーは、私が所属している日立市歯科医師会の学術委員会が
主催のもので、25名のセミナー参加者に集まって頂き、5社の協賛企業様に実機をお持ちいただき、参加者に口腔内スキャナーを実際に手に取って動かしていただき、各機種の特徴を体感していただくものでした。
デジカメ、パソコンもスマホ、3Dプリンターなどその他、多くの
デジタル機器は日々目まぐるしい進化を遂げています。
歯科でも、近年デジタルデンティストリ―の波が押し寄せており
その中でも特に注目されているのが、口腔内スキャナーになります。
差し歯や詰め物を作る際に、元来であれば粘土のような素材を患者様のお口に挿入して型取りをしてところを、口腔内スキャナーは文字通り、口の中を特殊な小型カメラで撮影することで、3次元のデジタル情報を得ることで、従来の型を取るのと同じことが出来るようになってきました。
歯医者で、型取りと言うと、型が固まるまで3~7分程度、硬化を待たなくてはならず苦手な方も多いのではないでしょうか。
口腔内スキャナーは、口腔内を小型カメラで撮影し、専用のモニターを見ることで撮影が必要な部位を確認ができるのでより確実で、患者様負担が楽になる一方で、
歯医者側からすると以前までであるならば 『作成する難易度が上がる』『適合性が悪い』
などの問題があると言われていました。
今回 メーカー説明実機として体験できたのが下記4機種になります。
プライムスキャン(Dentsply sirona)
Gos2(株式会社OKABE)
MEDIT i700(株式会社ヨシダ)
TRIOS(株式会社 松風)
各機種それぞれ特徴はありますが、
以前よりも
1圧倒的に撮影スピードが上がったこと――患者様負担がより軽減された
2精度の問題も格段に改善されてきた
3出来ることが増えたの3点が進化のポイントでした。
➡インプラントへの応用-CTデータと併用することでインプラントガイドの作成が
可能になった
➡矯正治療への応用--矯正のシュミレーションとマウスピース矯正の作成が
できるようになった
懸念点としましては、
口腔内スキャナーで、型を取るためには、従来の銀歯を作成するよりも
歯を削る量が圧倒的に多くなるので、長期的にみて歯の健康寿命を考えた時に
本当に歯にとって良いのかがまだ歴史が浅くて十分な判断ができないことです。
また、歯ぐきの下の型取りの精度には、まだまだ改善の余地があるので、難しい症例での
使用は慎重に判断した方が良さそうでした。
まとめ
課題点はあるものの口腔内スキャナーは矯正治療やインプラント治療、虫歯や歯周病の治療で活躍し、患者様の負担を軽減しながら、従来よりも精密な診断・治療を可能にします。
また数年以内に、保険導入されそうなので、今後は急速に普及していくと思われますが、
デメリットをどこまで許容できるかを鑑みて、当院ではどのタイミングで導入するかを慎重に判断してまいりたいと思います。
きくち歯科 院長 菊地正高
〒319-1221 茨城県日立市大みか町1丁目10-14
ホームページ http://kikuchi-dental.net/